旧車の必修項目であります、フォークパイプの錆落とし。
しかし、極錆の場合は再メッキと言われます。メッキの種類は、ハードクロームになります。
オークション等で入手した、バイクや部品で、素性の判らない(転倒歴)場合、フォークパイプに曲がりのある物があります。
又、錆の進行が下地(素材)まで及んでいる物は、再メッキ後、ピンホールが発生します。
従って、旋盤加工、プレス加工、メッキ処理の行程が可能な、メッキ屋さんと言う事になってきます。
フォークシールやスライダーブッシュなど消耗交換パーツを準備(確保)!
メッキ屋さんより戻って来た、輝けるフォークパイプ。
メッキのお値段 15,000円/1本
フレームの錆が酷いので、塗装します。汚れを落として古い塗料を剥離します。
特にメインスタンドの取付け部分の汚れが酷い。(洗剤とブラシで根気よく)
剥離中
剥離剤を塗布して古い塗装を浮かします。
剥離剤
使用した剥離剤(ホームセンターで一番安い商品) 798円
ワイヤーブラシで浮いた塗装を取ります。
電動、手作業、両方で行います。
根性!根性!ど根性!
剥離済みのフレーム
使用したカラーは、「NH-552M 1,239円」
クリヤー 998円(カー用品店で購入)
スプレーペイントとクリヤー
美しく輝くMVXのフレーム!
塗装終了後のフレーム
サンドプラスト処理したあと、耐熱塗料を塗装します。
MVX ENGケースの超重要事項です。
点火系が4ストと同じ構成になっていて、セルスタート機能が無いMVXには、ENGアースケーブルがありません。
ENG-GND点は、ENGハンガー部分になります。間違ってもこの部分に塗装をしないよう注意です。(マスキング処理)
色艶が蘇ったアッパー&ロアーケース
燃料タンク、エアクリーナーを外すとキャブレータが現れます。スロットル・ケーブルを外し、バンドを緩めてからキャブレータをエンジンより取り外します。
状態の悪いものは、インシュレータやコネクティングチューブを工業用ドライヤーで暖めてからキャブレータを外さないと、ゴムに割れが発生する事があります。ご注意の事。
#1キャブレータ
MVXキャブレータ分解時に、一番多い失敗はこれです。
リヤステーの下、#1キャブにスプリングとスチールボールがあり、部番設定も無いので、紛失すると大変です。要注意!
スターターリンクを外します。
スターターレパーが3個付いてますので、ネジを緩めてからスターターリンクを抜取ります。
スターターリンク
同調スクリュー、同調スプリングを外します。
外す前
外した部分
フロントステーを外して分割させます。
フロントステー
ジェット類ですが、長期放置車などでガソリンが腐敗したりしたものは、スロージェットが分解できず、無理に外そうとしてスロージェットの頭をなめてしまう事がよくあります。
その場合は、工業用ドライヤーで熱すると、腐敗ガソリンのガム分が軟らかくなり、取外し易くなります。
特殊な頭のビス
スロットルバルブカバーの取外しですが、写真の様な特殊な頭のビスが1本付いています。
いじり防止トルクスとか、スターヘックスと呼ばれています。
サイズはT20です。此れさえ外ればスロットルバルブが現れます。
キャブレータの分解が完了しました。
各部洗浄、サンドブラスト、ステーの再メッキ、ビスの交換、パッキン、ガスケットOリングの交換をして組立てます。
MVX キャブガスケットセット
19,440円 好評発売中
スロットルバルブとボディーを組付けパッキンを新品と交換します。
スロットルバルブカバーを合せ、新しいビス組立てます。
特殊な頭のビス
バイ スターターバルブとエア・スクリューを取付けます。エア・スクリューは締込んだ位置から戻し回転数1・3/4回転。
フロントステー組付け
油面調整のフロート高さは、15.5mm
フロートバルブは高価ですが、なるべく新品に交換したい部品です。
小さな部品です、紛失注意!
エアーベントチューブは#1以外は、キャブレータを連結してからでは取付け困難なので、この段階で取付けておきます。
フロントステーを仮付けしながら、同調調整スクリュー、スプリング、スラストスプリング、フューエルジョイントをキャブ同士の間に取付けていきます。
バイスターターアームシャフトをスターターレバー3個を通しながら取付けます。
リヤ側#1キャブレータにスプリングとスチールボールを取付け、リヤステーを取付けます。
スロットルドラムが付いているキャブレータが同調の基準となるので、MVXの場合は#2のスロットルバルブの開口高さに、#1、#3のスロットルバルブの開き高さを合せます。
これがキッチリと合っていると、のちのバキュームメーターを使った調整時、ほとんど狂っている事はありません。
念のため測定。バッチリ合ってます