NSで時折見られる症状です。
L・ギヤシフトフォークの爪が焼けたり、摩耗している事があります。
酷い場合は交換。軽度の場合は表面の修正とハードクロームメッキで対応します。
L側(LOW.3RD) R側(2ND.4TH)
爪先の焼け、摩耗状態
使用限度をとっくに過ぎていたけれど、交換パーツが入手出来ずに我慢してました。
しかし、ついに入荷しました。早速交換です。
使用限界の合口隙間、0.35mmのゲージが余裕で入ってしまう。恐ろしやー!
新品のピストンリングと交換です。うれしいー!
エンジン分解後、洗浄・サンドブラスト・塗装後組み立てていきます。
内部部品は事前に測定しておきます。
30年以上経過しているので、磨耗具合をチェックしておきます。
シフトドラムのBRGに異常の無い事を確認してLOWERケースに取付ます。
ボルトは一度に締付けるのではなく、ストッパーとシフトドラムのカム山との当りをストッパーを動かしながら、ボルトを2度3度と分けて締めると旨く付きます。
ガイドプレートにドラムシフターを組込みラチェットポールをすぼめる方向に押さえシフトドラム-シフターピンにはめ込んでいきます。
※ポールプランジャーSPGが折れている事があります。LOWギヤへの入りが悪いとか、ギヤチェンジ時に空送りするなどは、これが原因です。
古いオイルシールは-ドライバーでテコの要領で取り外します。
新しいオイルシールは外周にオイルを塗り、ギヤシフトカバーに取付けます。
純正部品のガスケットは廃番です。
2T PROJECT製NS250/400下ガスケットセットのギヤシフトカバーガスケットを取付けます。
Rカバーガスケット・ギヤシフトカバーガスケット・オイルポンプベースガスケットのSETで税込み 3,780円
ギヤシフトカバーを取付けボルトを締付けます。
下ケースの内部組付けが終わりました。
ギヤーシャフトとクランクシャフトを並べケースを合わせます。
ギヤーのホジションはN(ニュートラル)で、MシャフトASSYで取付けます。
シャフトENDのニードルBRGは、位置決めノック穴がありますので、ケース側のノックピンに合わせてセットします。
CシャフトASSYをセットします。
Rシフトフォークが後ろ方向に倒れていてセットしにくい状態です。配線ドライバーなどの細い棒でシフトフォークを起こしながらCシャフトASSYを取付けます。
CシャフトもMシャフト同様ニードルBRGに位置決め穴があります。合わせてセットします。Cシャフトのオイルシールも忘れずに交換しておきます。
クランクシャフトのBRGアウターに位置決めのピンが打ってあります。
とりあえず上方向に向けておいて、オイルシール溝(L.C.Rの3ヶ所)とL側BRG溝に合わせ入れた後、BRGを回して位置決めピンをケース前側の溝に入れます。
オイルシールの前後(クランクL.C.RとCシャフト)で、ケースとの境目には、液体パッキンを塗っておきます。オイルシールの交換もお忘れなく!
ケース合せ面の液体パッキンは上側のケースに塗ります。
液体パッキンにはスリーボンドを使用しています。(これメーカー純正ですよ)
BRG面には絶対に液体パッキンがはみ出さない事 !
上側のケースよりボルトを締めていきます。
①8mm 2.1-2.5kg-m
②6mm 1.0-1.4kg-m
ケース上側
次に下側よりボルトを締めていきます。
①8mm 2.1-2.5kg-m
②6mm 1.0-1.4kg-m
ケース下側(OILパスパイプステー共締め)
ウォーターポンプ、OILポンプの順で取付けていきます。
OILポンプを外さないと、ウォーターポンプは取り外せないと、覚えておきましょう。
通常のエンジン分解整備では、外す事は無いですが、ケース塗装の為外しました。
フロントシリンタ゜ー側に1本だけ長いスタッドボルト有り。ご注意!
ケースの上廻りを組立てます。
これまで何台ものNSのエンジンを分解してきましたが、ピストンリングが使用可能な
ものは、1機もありませんでした。
それに対してシリンダーの磨耗はほとんど見当たりません。恐るべしNSシリンダー!
Pリングを新品に交換して組上げます。
NS250Pリングセット2,700円絶賛販売中!
ピストンの向きに注意!
オイルを塗ってPリングを抑えて組みます。
NS250(上) ガスケット セット
シリンタ゜ーヘッドガスケット×2
シリンダーガスケット×2
リードバルブガスケット×2
キャブインシュレータガスケット×2
6,480円 好評販売中!
フロントとリヤーそれぞれ専用なので誤組立てに注意します。
ATACリンクカバーガスケットBは、リンク類を取付ける前にセットしてないと後で付きません。(Aは後でもOK)
リンクシャフトにはモリブデングリスを塗布します。
NS250 ATACガスケットセット
ATACリンクカバーガスケット A×1
ATACリンクカバーガスケット B×1
ATACチャンバーガスケット ×1
エキゾーストパイプガスケット ×1
2,700円 好評販売中!
ATACチャンバー内のオイル汚れヒデー!
この年式では、さすがに純正部品は無い。
又、分解修理したくても補修パーツも…と、言う事でその修理をしてみたいと思います。
プレートのカシメ部にセンター穴が有り、この穴よりφ2.5mmのドリル加工します。
穴が開きましたら、10mm程度のドリルで面取り感覚でカシメを除去します。
又、腐敗ガソリンで固着している場合は、アセトンで漬け置き洗浄します。
カシメ部分は軸を残して、φ2.5mm穴を下穴としてM3mmのタップを立てねじ穴を
作っておきます。この軸を削り落としてしまう人が時折見られますが、プレートのセンター位置決めを兼ねていますので、必ず残します。
送油部分に磨耗等見られますが、セパレーター(蜂の巣)が回転しない様、凸があれば問題無し。
Xリング・・・・。Oリングの間違いではと、いえいえ、断面形状がOとかXなのです。
もちろん新品と交換です。
洗浄後の写真で、ラバー類は廃棄
カシメ部の軸は必ず残しておく事
送油穴が埋まるほど、グリースを付けない !
セパレーターとXリングにラバーグリースかシリコングリースを薄く塗布します。
Xリングはねじれ易いので注意して溝にはめ込みます。
M3×10を2本、ねじ部にはねじロックを塗布して組み付けます。
ストレーナーも新品に交換しました。
16952-MG2-005・・・廃番
↓
16952-KPM-003・・・代替パーツあり
H28. 5.時点 2,268円(Webike)
近日に交換用ラバー(蜂の巣とXリング) 発売予定 !
道具が無い、分解の自信が無いと、言われる方の為に、預かり加工修理も実施予定です。HPをチェックしてね!
エンジン分解前に必ず行う事ですが写真撮りを毎回忘れてしまってました。
今回は忘れずに撮影しました。
混合ガソリンをリヤ側に注入して、フロント側から洩れてこなければOK!
フロント、リヤ共にピストンもシリンダーもキズも無くきれいです。
が、しかし、Pリングが固着しています。なしてーぇ。良く見るとPリングに錆が。EX側が錆ています。
運悪く、EX開口部でPリング位置があり、そのまま放置プレーされて錆たんですね。
どうせPリングは磨耗していると思われるので、交換しますけどね。
ただ怖いのは、こうゆう状態のエンジンが始動すると言うだけで、売られている事。
ガソリンで満たされたリヤ側ケース